取りかかった頃は、『豪勢ないなり寿司』からでした。
一般的な『いなり寿司』は、ゴマとシャリを味付けした
油あげに詰め込んだものです。
当店でも従来のいなり寿司はそうでした。
この中身を豪勢にすれば旨いはず!と思い、エビを
入れたりウナギを入れたり、あらゆる具材を入れては
試食する毎日。毎日、いなりの試食ばかりでした。
しかし、中身の具材の味が油あげの甘みに消されて
しまうんですね。どうしても甘みに負けてしまうのです。 |
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寿司屋で『いなり寿司』というのは脇役ですが、巻寿司や
いなり寿司は店の味を表すものです。
既製品を使っているのか、手作りの仕事をしているのか、
食べれば一目瞭然です。
特に脇役である『いなり寿司』は手間がかかるので作られていない寿司屋さんも多く、既製品のあげを使われているところも結構あります。
そんな脇役を ”主役になりうるいなり寿司を作ろう!”
が始まりでした。
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